ランナーのひざ:よくある2つの痛みを見分けて防ぐ
ひざの外側の痛み?それともひざのお皿のまわり?腸脛靭帯炎と膝蓋大腿疼痛症候群は、ランナーの二大定番の痛みです。見分け方、起こる理由、予防のしかたを紹介します。

ひざが本当の原因であることはまれです。急に増やした練習量、なまけた股関節、合わない走り方のつけを払っていることが多いのです。
ひざは、ランナーがもっとも痛めやすい関節です。さまざまな痛みの中でも、特によく見られるのが二つあります。「ランナー膝」とも呼ばれる腸脛靭帯炎と、ひざのお皿のまわりが痛む膝蓋大腿疼痛症候群です。うれしいことに、早めに対処すれば、ほとんどの場合よくなります。
この記事は一般的な目安です。痛みが続いたり悪化したりする場合は、医師や理学療法士に相談してください。
腸脛靭帯炎
どこが痛む? ひざの関節の少し上、ひざの外側です。走り始めてしばらくたつと、毎回ほぼ同じタイミングで痛みが出て、走れなくなるほど強くなります。休むと消え、次に走るとまた出てきます。
なぜ? 腸脛靭帯は、股関節からすねの骨まで伸びる繊維の帯です。使いすぎると、太ももの骨の外側のでっぱりの上を通る部分で炎症を起こします。よく見られるのは:
- 走行距離や上りを急に増やしたあと
- 下り坂が多いとき、または道路の傾いた側をいつも同じ向きで走るとき
- お尻の筋肉、特に中殿筋の力が足りず、股関節を安定させられないとき
膝蓋大腿疼痛症候群
どこが痛む? ひざのお皿のまわりや裏側が、ぼんやりと痛みます。階段(特に下り)、しゃがんだとき、ひざを曲げて長く座ったあとに痛みが出ます。いわゆる「映画館サイン」です。
なぜ? ひざのお皿は、太ももの骨の前にある溝の中をすべります。関節が耐えられる以上の負担がかかると、敏感になります。よくある原因は:
- 練習量を急に増やしすぎること
- 太ももと股関節の筋力不足
- 歩幅が大きすぎて、足が体のずっと前に着地していること
最初にすること
痛みが出たら:
- 無理をしない。 痛みを我慢して走ると、何週間も長引くことになります。
- 完全にやめるのではなく、負荷を減らしましょう:短めの距離、平らな道、ゆっくりのペース。自転車、水泳、クロストレーナーなら、痛みなく体力を保てることがよくあります。
- 楽になるなら、運動後に15分ほど冷やしましょう。
- 痛みが1〜2週間以上続く、ひざがはれる、引っかかる、ひざが抜ける感じがする、安静時や夜に痛む、という場合は受診しましょう。スポーツドクターや理学療法士が診断し、合ったプログラムを提案してくれます。
予防の4つの柱
1. 無理のない増やし方
ひざの痛みの多くは、新しい練習計画、休み明けの再開、大会の準備など、「急にやりすぎた」時期のあとに起こります。練習量は段階的に増やし、3〜4週間ごとに軽めの週をはさみましょう。
2. 強い股関節と太もも
筋トレは、どちらの症状にももっとも効果的な対策です。まずは週2回、15分ずつで十分です。
- ヒップリフト:あお向けでひざを曲げ、お尻を締めながら骨盤を持ち上げて3秒キープし、下ろします。12回×3セット。
- 横向きの脚上げ:横向きに寝て、上の脚をまっすぐ伸ばしたまま上げます。骨盤が傾かないように。左右15回×3セット。
- 空気いす:壁に背中をつけ、太ももを床と平行に(痛む場合は少し高めに)。30秒×3回。
- ステップアップ:ひざをつま先と同じ向きに保ちながら、ゆっくり段に上ります。左右10回×3セット。
ひざは常に足と同じ向きに保ち、内側に入らないようにしましょう。
3. 歩幅を少し小さく
歩幅を少し小さくしてピッチを少し上げる、つまり小さな歩幅でたくさん歩数を刻むと、ひざへの負担が減ります。すべてを変える必要はありません。5〜10%ほど、少しずつ上げれば十分です。
4. 路面とシューズを変える
アスファルト、土の道、トラックを組み合わせましょう。道路では、いつも同じ傾きを走らないよう、走る側を変えましょう。シューズはクッションがへたってきたら交換しましょう。モデルや体格にもよりますが、600〜1,000キロが目安です。
ストレッチは?
腸脛靭帯や太ももの前のストレッチは気持ちよく感じられますが、それだけではこうした痛みは治りません。クールダウンとして続けながら、何よりも筋トレと負荷の管理を重視しましょう。
まとめ
ひざの痛みはメッセージであって、避けられない運命ではありません。早めに耳を傾け、練習を軽くし、股関節と太ももを鍛え、痛みが続くなら専門家の力を借りましょう。少しの辛抱で、前より強くなって戻ってこられます。
出典
- Crossley K. M. ほか「2016 Patellofemoral pain consensus statement from the 4th International Patellofemoral Pain Research Retreat」British Journal of Sports Medicine、2016年。
- Lavine R.「Iliotibial band friction syndrome」Current Reviews in Musculoskeletal Medicine、2010年。
- フランス医療保険(Assurance Maladie)、ひざの痛みと受診の目安、ameli.fr(フランス語)。
ひざけが予防筋トレ
